
今日、皆さまからの募金で購入させていただいた3台目の車をお届けしてきました。
先月、支援物資を届けに女川に行ってきたときに、
1台目の車を贈らせていただいたあべさんに、
車が無くて困っている方の情報が欲しいと相談したところ、
近所にいると教えていただいた。
プライバシーに関わるので詳細は控えさせていただくけども、
とにかく大変な思いをされて現在に至るAさん。
津波の時、海の方を見ていたら大きい壁のような波が遠くに見えて、
車を捨て、小さいお子さんを抱きかかえて近くの山の斜面をよじ登って避難。
そのとき、抱きかかえていた子が、
Aさんの乗っていた車が波にのまれてプカプカ浮いている様子の一部始終を見ていた。
「車がプカプカしてるー!」
と、相当なトラウマとなっていたそうだ。
現在は、心のケアを受けて平常を取り戻している。
そんな小さな子供の心にも深く刻み込まれた津波の爪痕。
その話を聞いていたとき、胸が張り裂けそうになった。
そんな思いをした人たちに、俺に何ができるんだろう・・・
せめて、今回贈らせていただいた車で、家族みんなでドライブしたり、
新しい、楽しい思い出をいっぱい作っていただけたら本望だ。
今回お世話になったのは、1台目の車を提供してくださった、
ダイエイモータースの大熊さん。
今回も、埼玉から自走して持ってきてくださいました。
相変わらず熱い男で、なんかこう・・その熱が伝わって、こっちまでインスパイアする感じ。

今回、皆さまからの募金でホンダライフを22万円で購入させていただきました。
そして、現地で、親友ナベさんも合流。
ナベさんも、今日は普通に仕事中だったんだけども、
納車するところを一目見たいと、いったん仕事を抜けて駆けつけてくれた。
今回は来られなかったけども、後輩の石橋くんも熱い男だ。
俺の周りには、こういう熱い男たちがいて、支えてくれている。
本当に頭が下がる思い。
本当にありがとう。
さて、今日はあべさんちで車の引き渡しだったんだけども、
皆さん一家総出で心待ちにしていてくれた。

まずは、こちらの習わしで、車を塩とお酒でお清め。
本当にうれしそうで、こっちまでうれしくなっちゃう。

この車のメインユーザーであるご主人Aさんは、今日は仕事で会えなかったんだけども、
Aさんのご両親、奥さん、お子さんたち、みんなで記念撮影。
Aさんの奥様は、俺のBLOGを読んでくださっているそうで、
写真が紹介されることを楽しみにしてくれていた。
その後、あべさんの家に上がったら、すごいご馳走が用意されていた。
お赤飯にお魚に煮物にお刺身にエビフライに・・
なんかかえって気を遣わせてしまって恐縮してしまったんだけども、
「これが女川流のもてなしだから、残さずいっぱい食べてってけらい!」
と言われ、遠慮せずにご馳走になってきた。
Aさんもやっと、仮設住宅に入れる目処が立ったようで、
その日を待ちわびている。
どうしても話題は、地震と津波の話になるけども、
だけど、みんな前を向いて力強く進んでいる。
みんな口を揃えて言うのは、自衛隊の皆さんには本当に頭が下がると。
このエリアに来ていた自衛隊員との会話の中で、
「私たちは前に進むしかない、後退をしたら負けなんだという話があって、
その自衛隊員の言葉にどれだけ勇気づけられたか・・・」
と、目を潤ませながら話していた。
そんな話をたくさんして、あべさんちを後にした。

津波で失ったものを俺がどうにかしてあげることはできない。
心に負った傷も同様だ。
だけど、せめていつか辛い記憶を塗り替えられるくらい、
いっぱい楽しい記憶をこれから作っていってほしい。
この車が、その一翼を担ってくれたらうれしいなーと思う。
皆さんの善意が、またひとつ形となりました。
本当にありがとうございます。